くまとの遭遇
すぅ~っと黒い塊が、左側から視界に入ってきた。
「なんだろう?」
一瞬後に
「あ、くまだ!」小さくつぶやいた。
(あくまで、「悪魔だ!」の誤植ではない)
初めてのくまとの遭遇。
旋律がはしった。
あるひ もりの なか
くまさんに であった
はな さく もりの みち
くまさんに であった
いや、戦慄がはしった。
☆
お昼になったので、畑作業をやめ
畑脇の道路に止めておいた車(軽のバン)に戻り
お昼のおにぎりを食べた。
この時、僕は運転席。 一緒に行った母は、後ろの席で、助手席の後ろ。
おにぎりを食べ終えて
どこを見るでもなく、ボケ~ッとする。
その時、黒い塊が視界に入ってきた
☆
「くまがでた」と左斜め後方の母に伝えた。
「どこにでたって」と聞く母に
「ほら、あそこ」と運転席からフロントガラス方向を指さした。
前方約10メートル先。
黒い塊の右側に頭が横顔として見えている。
長さ1.5m 誤差±50cmほど。
四つん這い状態。
ちょうど舗装道路手前。
「飛び出し注意」を守っている(と、思われる)。
僕らの位置はくまの90度右方向。
果たして、くまの視界に入っているだろうか。
さて、どうしよう。
余計な刺激を与えないほうがいい。
僕らは車の中。
いざとなれば車を走らせればなんとかなるかも。
あっ!母のいる席の左のスライドドアが開いている。
それに後部のドアも。
スライドドアさえ閉めれば車を出せる。
「ドアを閉めて」と母に伝える。
ドアを閉める音が響く。
その音に反応したのか
くまは右に90度頭を旋回させた。
くまの横顔が正面に変わった。
くまと目が合った。
「ごきげんよう」とは言えない。
「こんなところに出てきては危ないよ」と
『くまに注意』なんてできない。
睨むでもなく、じっと見つめ合う。
向かってくるだろうか。
いつでも車を出せるようにキーを用意。
右胸ポケットにデジカメがあるなと、余計なことに気がつく。
写真なんか撮ってる場合か!
エンジンをかけようか。
いや、余計な音で刺激を与えないほうがいい。
じっと見つめ合う。
頭が動いた!
正面に見えていた顔は左向きに。
すっと、頭が向いている方に動いていった。
(つまりは元の方向に戻った)
視界から黒い塊が消え、ほっとする。
「・・・」
「うわ~、くまと逢っちゃったよ」
「すもーるげーとが~、畑で~、くまと~、出会った~」
(下條アトム、ウルルン口調で)
なんてナレーションが流れる(ような気がする)。
緊張が溶け、声を出す。
「また、戻っってくるかな?」
「まだ、そのへんにいるかな?」
「意外に冷静だったな」
とか、・・・しばらく車の中で母と盛り上がった。
今が興奮状態。
いわゆる『後の祭り』。(誤用)
「とにかく無事でよかった。」
襲われていたら、『後の血祭り』・・・
皿が割れていたら『後の皿祭り』・・・
くまの目撃情報は、よく聞くけど、どこか他人事。
まさか、自分の身に起こるとは・・・。
くまとの遭遇
みちでの遭遇
あっ!、通報、通報と。
場所を電話で伝えるのに大変なご苦労。
GoogleMapなんかで、「ここ!」て伝えられると良いのに。
あらためて、畑の周辺をみると
くまの通り道、すみかになってしまいそうに
木や草が茂っている。
「きちんと手入れをしなきゃな」という思いに
老けこんでいる。
いや、ふけっている。(ちょっと違うか)
というわけで、畑まわりの草刈り、とか
手入れに夢中になっている。
ほんの一ミリづつの現在進行形だけど。
とにかく無事だったからだけど
貴重な体験だったと思う。
畑まわりの手入れをする気になったのも
良い意味での後遺症の一つ。
そういえば、「遭遇」と「so good」の発音が似ている。
「くまとの遭遇」、僕にとって2014年上半期の重大ニュース 第2位 となる出来事。
(くまと遭遇したのは、2014年6月21日土曜日 12:15頃
今頃になって、やっと投稿、しかも支離滅裂)
☆
無事だった
くまとの遭遇
so good!
☆
ランキングへの協力クリック、ありがとうございます。
No.919
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