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2009/10/31

とりあえず、生で!

「枝豆でもどうぞ! 今朝、採ったのだから。」

 

あまり遠慮しても悪いので、手を伸ばす。

目の前には、皿に盛られた枝豆と、

殻入れ用の皿。

 

枝豆を口元に運び。

親指と中指に力をこめる。

豆をさやからはじき出すためだ。

 

いつもなら、

口の中にはじき出された豆が

飛び込んでくるはずだが・・・。

 

ちょっと、ゆで方がかためなのかな?

そんな思いで

もう一度

さらに指に力をこめた。

 

豆は、口の中に飛び込んでこない。

指は、はじき飛ばした感触がない。

かなり、かためだな・・・。

それとも、僕の指の力がおちたのか?

 

あせっている姿を見せまいと、

涼しい顔をしながら、指に神経を注いだ。

 

びくともしない枝豆。

 

まさか!

 

まさか!

 

生か? 

 

今朝、採った枝豆だとは言っていたが、

今朝、ゆでた枝豆だと入っていなかった。

 

枝豆を出してくれたのは、80を超えるおばあちゃん。

意地悪で、生の枝豆をだした?

ゆでたものと勘違いしているか?

それとも、もしかして・・・。

 

いや、生だと決まったわけではない。

僕の枝豆に対する操作方法が間違っているのかも・・・。

 

いろんな思いが交差する。

 

アプローチを変えた。

豆をはじき出すのではなく、

さやを開かせるように、さやに対して垂直に力を加えよう。

ぐっ!

やはり、びくともしない。

 

さやの筋目につめを立てた。

それでも、パカッとは開かない。

無理やり、つめで開くと、

豆とさやは密着している。

 

生だよな~。

 

それとも、口に入れてみるか?

 

いや、絶対、生だ。

 

やっぱり、このおばあちゃん、とうとう・・・。

 

この枝豆が、生であることを告げるべきかどうか?

・・・。

迷った挙句、無残に開いた枝豆を

おばあちゃんからは見えないように、

出していただいた、お茶の影に置く。

帰るときに

さりげなく、持って帰ろう。

 

しばらく、おばあちゃんの話に耳を傾けていた。

何事もなかったかのように。

 

 

 

「枝豆! どうぞ! 今朝、採ったのだから。」

再び、すすめられた。

 

もう隠しておけない。

 

意を決して、生であることを告げた。

 

「おばあちゃん。 この枝豆、

  もしかして、まだ、ゆでてないんじゃ」

 

おばあちゃんは、「そんな、ばかな!」という顔で、

枝豆を取った。

「あらっ」

けっこう、毛だらけ

やっぱり、生だった。

 

「いや~、申し訳ない」と、しきりに謝る、おばあちゃん。

 

「ほんと、ぼけたもんだ」と自分で言っていた。

 

良かった、まだ大丈夫だ。

 

良かった、無理して食べなくて。

僕は、キャベツや大根、栗なんかも生で食べるのを好むほうだ。

それに、ビールも生が好み。

「とりあえず、生で」なんてのも、よく使う言葉だ。

 

が、枝豆はゆでたものが良いよな~。

2ヶ月ぶりの更新は、こんな夏の思い出。

  指先に  

     涼しい顔で

                    チカラこめ

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