小さな研究室

2008/07/11

GYAFUN

コン、コン。 扉をノックする音。

「どうぞ!」

 

「先生、こんにちは。」

 

「やあ、君か。 ちょうど良い所に来てくれた。」

 

「何ですか?」

 

「この紙に書いてあるローマ字を読んでくれ。」

 

紙には、『GYAFUN』の文字。

 

 

 

 

「『 ギャ、  フ、   ン 』、ですか?」

 

「よし!」とガッツポーズ

 

「何か?」

 

「いや、初めて人に『ギャフン』と言わせたことに喜びを感じているんだよ。

  なかなか、『ギャフン』と言ってくれる人がいないから、

    どうやって言わせるか考えていたんだ。」

 

「そんな、くだらないことを考えていたんですか?」

 

「もっとも、『ギャフン』は、言い負かされて言葉もでない様子ともいうから、

『ギャフン』と言うこと事態、おかしいかもしれないけど。」

 

「私が、いい、かもにされたってことですね」

 

「ちなみに、もし、君が『ジー、ワイ、エー、エフ、ユー、エヌ』って読んだら、

 僕が、『ギャフン』と言おうと思っていた。」

 

「もう好きにしてください。」と、ため息。

 


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2008/07/05

熊、目撃!

コン、コン。 扉をノックする音。

「どうぞ!」

 

「先生、こんにちは。」

 

「やあ、君か。 今日は、どうしたの?」

 

「最近、熊が人里までおりてきているのが

 目撃されることって多くなってますよね。

 先生は、熊を目撃したことあります?」

 

「残念ながらというか、幸運にも動物園でしか見たことがないな。」

 

「国道辺りでも何匹か目撃されているようですね。」

 

「国道の熊たち」

 

「『なめたら いかんぜよ』なんて叫ばれそうですね。」

 

「『熊に注意!』というより『熊が注意!』」

 

「先生! 元ネタの『極道の』は、『ごくどうのおんなたち』で、

 『ごくどうのつまたち』じゃあないですよ。

 通称は『極妻(ごくつま)』っていいますけど。」

 

「君の『なめたら いかんぜよ』も、極妻の台詞ではなくて、

 映画、『鬼龍院花子の生涯』の夏目雅子の啖呵だ。」

 

「お互い、微妙にずれてますね。」

 

「世の中、そんな微妙なずれで成り立っているもんだよ」

 

続くかもしれない。

 

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2008/07/02

お土産は、・・・。

コン、コン。 扉をノックする音。

「どうぞ!」

 

「先生、ご無沙汰してます。」

「やあ、君か。 どうしたの?」

「しばらくの間、こちらの方に居るので、ご挨拶に来ました。」

彼女は、バックから四角い包みを取り出した。

「先生、とりあえず、お土産です。温泉饅頭。月並みですけど。」

「月並みの温泉饅頭か。よく、持って来れたね。」

「えっ?」

「それとも、重量が1/6になっているとか」

「どういうことですか?」

「気にしなくていいよ。 誤用だから。」

気づいた雰囲気の彼女。 

「じゃあ、お茶入れますね。」

 

仕事の手を休め、彼女のお土産の饅頭とお茶を頂く。

彼女の話に耳を傾けたり、多少の応答をしながら・・・。

 

 

  月並み(つきなみ) -語源由来辞典-

  月 -Wikipedia-

 

 

「先生、じゃあまた。 ちょくちょくお邪魔します。」

 

「いや、邪魔にならない程度に来てくれていいよ。」

と言ったのは、彼女に届いただろうか。

 

続く。

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